水車小屋のネネ
誰かに親切にしなきゃ、人生は長く退屈なものですよ…。水車小屋のネネ(著者 津村 記久子)を読みました。
2024年の本屋大賞2位の作品。1位が”成瀬は天下を取りに行く“の年なので、違う年だったら1位取ってても不思議じゃ無いと思うほど、面白い作品でした。
両親に恵まれない若い姉妹(18歳と8歳)で独立して生活を始めるお話し。当然、貧乏ながらも強く助け合いながら生きて行く姿が切なくも美しく、また羨ましくもある。
その生活の一部にネネ(ヨウム)がいて、賢いネネの心情を慮ったりする部分が愛おしい。
第二話(10年経過)になると姉妹に加えてもう1人の主人公になる人物が登場し、水車小屋にいるネネの役割が広がっていきます。
そして更に10年後の第三話。これまでは羽を切っていたネネがついに空を飛びます。それに伴いネネとの付き合い方にも変化が生じていく。これまでは空を飛べない=逃げ出して、いなくなる心配のない状態だったのが、何処かに行ってしまうのでは無いか?心配する姉、自由にさせてあげたい妹。互いに心情が分かりながらも正解は無く、ネネとの付き合い方を模索していく姿が愛おしい。
また第三話では新たにネネのパートナーになる人物が更に出て来ます。ネネを中心に人の輪が広がっていくお話。
特に印象に残ったシーンは両親に恵まれなかった妹が姉への感謝と共に“これまでに出会ったあらゆる人々の良心でできあがっている”自身をその様に表現します。たしかに、私自身もそうだと思いました。
第四話は2011年。東北を悲劇が襲ったあの年です。
印象深いセリフが”自分が元から持っているものはたぶん何もなくて、そうやって出会った人が分てくれたいい部分で自分はたぶん生きてるって。”
この小説は読んでいてほっこりする部分が多く、また涙もろい私は、ちょくちょく涙ぐむ部分の多い本でした。次は何読もうかな。
写真は、ネパールのポカラ、白亜のストゥーパ。青空に映える純白の仏塔。四方には仏陀の生涯を描いた黄金像。

